お風呂に入る前、鏡に映った自分の身体を見る。
以前よりお腹が出た気がする。胸の形も変わった。出産前や若い頃の写真と比べると、年齢を感じる。
「だから、もう求めてこないのかな」
セックスレスになる前なら、それほど気にしていなかったところまで、欠点のように見えることがあります。
夫や彼氏から求められない。
触れられることも、「可愛い」「きれい」と言われることも減った。
すると、最初は二人のセックスの問題だったものが、
「私はもう女性として魅力がないのかもしれない」
という、自分自身への疑いに変わっていくことがあります。
本当につらいのは、セックスの回数が減ったことだけではないのかもしれません。
好きな男性から、もう一度女性として見てほしい。
自分にもまだ魅力があると思いたい。
相手から「触れたい」「抱きたい」と思われたい。
そんな「求められたい」気持ちが、ずっと残っている女性もいると思います。
この記事では、セックスレスによって女性としての自信を失う理由と、パートナーの反応だけに自分の価値を預けず、自信を取り戻していくための考え方を整理します。
断られた直後の寂しさや、何度も拒否されて誘えなくなった気持ちについては、セックスを断られるのがつらい女性へ|拒否されるたび傷つく心理をご覧ください。
セックスレスが「自分には魅力がない」に変わっていく
相手がセックスを求めなくなる理由は一つではありません。
仕事や疲労、性欲の変化、身体的な悩み、セックスへのプレッシャー、二人の関係など、さまざまな可能性があります。
それでも、求められない女性は自分の中に理由を探してしまうことがあります。
「太ったから?」
「老けたから?」
「出産して身体が変わったから?」
「もう見慣れて、飽きられたから?」
相手の本当の理由が分からない状態では、原因を確かめることができません。
すると、自分が以前から気にしていた体型や年齢へ理由を結びつけやすくなります。
そして、鏡を見るたびにお腹を隠したくなる。
裸を見られたくなくなる。
新しい下着を買っても、「どうせ見てもらえない」と思う。
相手から求められないことが、自分で自分の身体を嫌いになる理由にまで広がっていくことがあります。
相手の反応を通して、自分の魅力を見ていた
私たちは、自分のことを自分だけで評価しているわけではありません。
周囲からどう扱われるかによって、自分はどのような人間なのかを感じることがあります。
恋人だった頃、彼が会いたがってくれた。
可愛い、きれいと言ってくれた。
キスや身体への触れ方から、自分を女性として求めていることが伝わった。
そうした相手の反応が、
「私はこの人にとって魅力のある女性なんだ」
という自信につながっていた女性もいると思います。
しかし、結婚や出産を経て、相手から求められることがなくなる。
褒められることも、女性として見つめられることも減る。
すると、自分の魅力まで一緒になくなったように感じます。
心理学には、反映的評価という考え方があります。
反映的評価とは、相手の言葉や態度を通して、「自分は相手からどのように見られているのか」を想像し、そのイメージが自分自身の評価にも影響することです。
特に、夫や恋人など自分にとって大切な相手の反応は、自己評価に強く結びつきやすくなります。
セックスレスが続き、触れられたり求められたりすることがなくなると、相手から直接「魅力がない」と言われたわけではなくても、
「夫はもう私を女性として見ていないのかもしれない」
「私は求めたいと思われる女性ではないのかもしれない」
と、相手の気持ちを想像することがあります。
そして、その想像を繰り返すうちに、いつの間にか「私は女性として魅力がない」という自分自身への評価に変わってしまうことがあります。
つまり、セックスレスによって自信を失うのは、セックスの回数が減ったからだけではありません。
大切な相手からどう見られていると思うかが、自分の見た目や女性としての価値を判断する材料になってしまうこともあるのです。
若い女性やきれいな女性と比べてしまう
自分に自信がなくなると、ほかの女性が気になることがあります。
夫とテレビを見ていて、若くてきれいな女性が出てくる。
夫が何気なく「この人、可愛いよね」と言う。
以前なら気にならなかった言葉が、今は強く引っかかる。
街を歩けば、スタイルのよい女性に目がいく。
SNSを開けば、きれいにメイクし、おしゃれをして、楽しそうにしている女性が表示される。
「こういう人なら、男性から求められるんだろうな」
と、自分と比べてしまうことがあります。
自信を失っているときは、自分に足りないものや、相手から選ばれない理由を探しやすくなります。
そのため、若さ、体型、肌、服装など、自分より優れて見える部分ばかりに注意が向きます。
しかし、本当はその女性になりたいわけではないのかもしれません。
「私も、好きな人から魅力のある女性として見てほしい」
その願いが、ほかの女性との比較になって表れていることがあります。
夫がほかの女性を見ると嫉妬してしまう
セックスレスになる前は気にならなかったのに、夫がほかの女性を見ることへ敏感になる場合があります。
テレビに出ている女性を褒める。
SNSで若い女性の投稿を見る。
街ですれ違った女性へ視線を向ける。
そのたびに、
「私には興味がないのに」
「こういう女性なら抱きたいと思うんだ」
と感じる。
夫の一つの行動だけで、本当の気持ちまでは分からないかもしれません。
それでも、すでに「私は求められていない」と感じていると、何気ない行動までその証拠のように見えてきます。
嫉妬している自分だけを責める必要はありません。
その感情の奥には、
「ほかの女性を見ないでほしい」
だけではなく、
「私のことも見てほしい」
という寂しさが隠れていることがあります。
男性から褒められると、思った以上に嬉しい
自信を失っているとき、夫や彼氏ではない男性から褒められることがあります。
職場で「今日の服、似合っていますね」と言われた。
美容院で「髪がきれいですね」と言われた。
久しぶりに会った男性から「変わらないね」と言われた。
たった一言なのに、その日ずっと少し嬉しい。
鏡を見たときも、普段より自分がよく見える。
その一方で、
「男性に飢えているのかな」
「結婚しているのに、こんなに嬉しいのはおかしい?」
と戸惑うこともあるでしょう。
しかし、褒めてくれた男性と恋愛やセックスをしたいとは限りません。
嬉しかったのは、長い間感じられなかった、
「自分はまだ女性として見てもらえる」
という感覚だったのかもしれません。
誰かに褒められて嬉しいことまで、否定する必要はありません。
ただし、男性からの評価がないと自分には価値がないと感じ始めると、少しの反応を求め続けるようになることがあります。
何が嬉しかったのかを知ることが大切です。
本当はパートナーから言ってほしかった
ほかの男性から「きれいですね」と言われて嬉しい。
でも、そのあとに少し寂しくなることがあります。
「本当は、この人ではなく夫に言ってほしかった」
「好きな人に、そう思ってもらいたかった」
知らない男性百人から褒められるより、好きな相手から一度「今日可愛いね」と言われる方が嬉しい女性もいると思います。
その場合、求めているのは男性一般からの評価ではありません。
パートナーからもう一度、女性として見てもらうことです。
その願いが満たされないため、
「ほかの男性から見た私はどうなのだろう」
と確かめたくなることがあります。
「ほかの男性から求められたい」と感じたからといって、すぐに浮気願望だと考える必要はありません。
本当は誰から、どのように見てもらいたいのかを分けて考える必要があります。
「まだ私を抱きたい男性はいるのかな」と確かめたくなる
セックスレスが長く続くと、悩みが夫婦の中だけに収まらなくなることがあります。
「夫が求めてくれない」から、
「私は、男性から見ても魅力がないのでは」
という疑問へ変わっていきます。
そして、ときには、
「夫ではなかったら、私を抱きたいと思う男性はいるのかな」
と考えることもあるでしょう。
実際に誰かとセックスするつもりはなくても、自分がまだ男性から求められる女性なのか確かめたくなる。
SNSへ写真を載せて反応があると嬉しい。
男性からメッセージが届くと、警戒しながらも少し安心する。
ここで求めているものは、男性そのものではないかもしれません。
自分にはまだ女性としての魅力があると感じられる証拠を探している可能性があります。
ただ、知らない男性の反応は、あなたを大切に思っている証明ではありません。
性的な言葉や誘いを受けることと、一人の女性として尊重されることも同じではありません。
一時的に自信が戻ったように感じても、相手からの反応がなくなれば、また不安になることがあります。
自信を取り戻すために男性の反応を使い続けると、自分の価値がさらに相手次第になってしまいます。
求められたい気持ちと、セックスしたい気持ちは違います
男性から求められたいと思うと、
「私はそんなにセックスがしたいのかな」
と考えることがあります。
しかし、「求められたい」の中には、いくつか違う気持ちが含まれています。
- 可愛い、きれいと言われたい
- 女性として見てほしい
- 自分を見てドキッとしてほしい
- 身体に触れたいと思われたい
- 好きな人から抱きしめられたい
- 実際にセックスがしたい
- もっと気持ちよくなりたい
- 自分が特別な存在だと感じたい
近いように見えますが、すべて同じではありません。
男性から「抱きたい」と思われたいけれど、実際にその男性とセックスをしたいわけではないこともあります。
夫からセックスを求められたいけれど、これまでと同じ内容のセックスなら気が進まない場合もあります。
自分の性欲そのものと、夫とのセックスを分けて考えたい方は、性欲はあるけど夫とはしたくないのはなぜ?夫以外ならと思う女性へをご覧ください。
自信を失うと、自分の身体を隠すようになる
求められない状態が続くと、裸になることが怖くなる場合があります。
明るい場所で着替えたくない。
夫の前でお風呂から出られない。
以前より身体を隠す服を選ぶ。
セックスに誘われても、見られることが不安になる。
相手から求められないことで自信を失い、その結果として身体を見せることや触れ合いを避けるようになる。
すると相手からも距離を取られ、さらに「やはり魅力がない」と感じることがあります。
これは、
求められない → 自信を失う → 身体を隠す → 触れ合いが減る → さらに自信を失う
という循環です。
自分に自信がないから隠すことは、自分を守る自然な反応です。
ただ、相手が求めてこない理由と、自分の身体を隠したくなる気持ちは分けて考える必要があります。
見た目を変えれば、自信を取り戻せるのでしょうか
女性として自信を取り戻したいと思ったとき、
「痩せよう」
「髪型やメイクを変えよう」
「可愛い下着を買おう」
と考えることがあります。
自分がしたいと思って始めるのであれば、それはよい選択だと思います。
身体を動かして調子がよくなったり、好きな服を着て気分が変わったりすることもあります。
ただし、目的が「夫に抱きたいと思わせるため」だけになると、結果が夫の反応に左右されます。
頑張って痩せたのに何も言われなかった。
美容院へ行っても気づかれなかった。
新しい下着を着ても求められなかった。
すると、自分のために始めたことまで、
「ここまでしても駄目だった」
という新しい傷になる可能性があります。
見た目を整えることが悪いのではありません。
自分の変化の成功を、夫が求めてくれたかどうかだけで判定しないことが大切です。
自分が鏡を見たときに好きだと思える。
以前より身体が軽くなった。
着たい服を楽しめるようになった。
そうした自分側の基準も持っておく必要があります。
女性としての自信は、男性からの評価を無視することではありません
「他人の評価を気にせず、自分で自分を愛しましょう」
そう言われても、納得できない女性もいると思います。
好きな男性から可愛いと言われたい。
身体を見てドキッとしてほしい。
触れたい、抱きたいと思われたい。
その気持ちは消さなくて構いません。
人との関係の中で、自分の魅力を感じることもあります。
問題になるのは、一人の男性から求められないことを、自分に女性としての価値がない証明にしてしまうことです。
パートナーから求められたら嬉しい。
それと同時に、自分でも女性としての自分を感じられる。
どちらか一方だけにする必要はありません。
相手から求められたいという気持ちを認めながら、自分の価値をすべて相手の反応へ預けないことが、自信を取り戻すための一歩になります。
妻や母ではない「自分」の時間を取り戻す
結婚し、子どもが生まれ、毎日の生活を回していると、「女性としての自分」を意識する時間が少なくなることがあります。
朝食を作る。
子どもの準備をする。
仕事へ行く。
帰宅したら買い物、夕食、お風呂、洗濯、寝かしつけ。
夫との会話も、子どもの予定や家事、お金のことが中心になる。
妻や母であることは、大切な自分の一部です。
しかし、それだけが自分ではありません。
何を着たいのか。
どのような髪型が好きなのか。
一人でどこへ行きたいのか。
どのように身体を動かしたいのか。
何にときめき、何を心地いいと感じるのか。
こうした自分の感覚を選ぶ時間がなくなると、女性としての自信以前に、自分自身が何を好きだったのか分からなくなることがあります。
最初から「女性らしいこと」をしなくても構いません。
家族のためではなく、自分が選んだと思える時間を少しずつ増やすことが大切です。
身体を「見られるもの」だけでなく「感じるもの」として見る
自信を失うと、自分の身体を男性からの見え方だけで評価しやすくなります。
お腹が出ている。
胸の形が変わった。
お尻が下がった。
肌が若い頃と違う。
しかし、身体には別の見方もあります。
この身体で何を感じているのか。
どのような服なら心地いいのか。
身体を動かしたときにどのような感覚があるのか。
どこに触れると落ち着くのか。
どのようなときに性的な気持ちが起こるのか。
身体は、誰かに評価されるためだけのものではありません。
自分が生活し、触れ、動き、心地よさを経験するための身体でもあります。
これまで「夫が抱きたいと思う身体か」という視点ばかりで見ていたなら、
「私はこの身体で何を感じ、何を心地いいと思うのだろう」
という側から見直すことができます。
それは「感じる身体だから価値がある」という意味ではありません。
男性からの評価とは別の場所に、自分と身体との関係を作っていくということです。
女性としての自信を取り戻すためにできること
自信は、一つの方法ですぐに戻るものではありません。
次の中から、自分に合うものを少しずつ試してみてください。
事実と、自分がつけた意味を分ける
事実は「夫からセックスを求められていない」。
そこから「私は太ったから魅力がない」「もう女ではない」と意味をつけていないかを確認します。
相手の理由が分からない以上、自分への評価を事実として確定させないことが大切です。
身体の欠点を確認する時間を減らす
鏡や写真を見るたびに、直したい場所だけを探す習慣がないか振り返ります。
体型を改善したい場合でも、身体全体を否定することと、変えたい部分へ取り組むことは別です。
自分のために選ぶものを増やす
服、下着、髪型、運動、趣味など、夫の反応ではなく、自分が好きだから選ぶものを増やします。
夫が気づいたかではなく、自分の気分や過ごしやすさを基準にします。
女性以外の自分の価値も確認する
仕事、家族、友人関係、得意なこと、続けてきたこと。
自分の価値は、性的に求められるかどうかだけで決まるものではありません。
女性としての自信を取り戻すためにも、自分全体を一つの評価だけに縮めないことが必要です。
本当は誰に何を望んでいるのかを知る
誰でもよいから男性に求められたいのか。
夫から可愛いと言われたいのか。
性的な触れ合いが欲しいのか。
女性として丁寧に扱われたいのか。
自分が気持ちよくなれる時間を求めているのか。
「求められたい」の中身が分かると、自信を取り戻すために必要なものも具体的になります。
女性として自信を失ったときによくある質問
セックスレスになったのは、私が太ったからでしょうか?
体型だけを理由に決めることはできません。
相手の性欲、疲労、身体的な悩み、夫婦関係、セックスへのプレッシャーなど、性的な関係が変化する理由はいくつもあります。
セックスレスが続くと、自分の身体の中へ原因を探しやすくなりますが、「太ったから」と感じることと、それが事実であることは別です。
夫が若い女性を見ると、つらくなります
「若い女性が嫌」という感情だけではないかもしれません。
「若い女性には興味を示すのに、自分は見てもらえない」と感じ、寂しさや不安が刺激されている可能性があります。
嫉妬する自分を責める前に、本当は夫から何をしてほしかったのかを考えてみてください。
男性から褒められると嬉しいのは、承認欲求が強いからですか?
褒められて嬉しいこと自体を問題にする必要はありません。
特に長く女性として見られていないと感じていた場合は、男性からの一言が強く残ることがあります。
ただし、男性から評価されないと自分には価値がないと感じるほど苦しくなっているなら、自分の評価を一つの反応へ預けすぎていないかを見直す必要があります。
他の男性から求められたいのは、浮気願望ですか?
それだけでは浮気願望とは言えません。
女性として見られたい、自分にも魅力があると確認したいという気持ちと、その男性と実際に恋愛やセックスをしたい気持ちは別です。
誰かとの関係を考える前に、自分が本当に欲しいのは男性なのか、女性として見られる感覚なのかを分けてみてください。
女性としての自信を取り戻すには、痩せるべきですか?
自分が健康や見た目のために痩せたいなら、その選択を否定する必要はありません。
ただ、「痩せれば夫から求められる」とは限りません。
夫の反応だけを目標にすると、求められなかったときにさらに傷つく可能性があります。
自分の身体の調子や、着たい服を楽しめることなど、自分側の目標も持つことが大切です。
夫に求められない限り、自信は戻らない気がします
好きな相手から求められたいという気持ちは、無理に消さなくて構いません。
ただ、夫が求めてくれた一回だけで、それまで失ってきた自信がすべて戻るとも限りません。
「次はいつ求められるだろう」と、さらに夫の反応を待つようになる可能性もあります。
夫との関係を考えることと、自分自身の基準を少しずつ取り戻すことを、並行して進めてもよいと思います。
まとめ|求められないことと、女性としての価値は別です
セックスレスが続くと、二人の性的な問題が、
「私はもう女性として魅力がない」
という自己評価へ変わることがあります。
体型や年齢を責める。
若い女性と比べる。
夫がほかの女性を見ることに敏感になる。
男性から褒められると嬉しくなり、「まだ私を抱きたい男性はいるのかな」と確かめたくなる。
これらは、男性に飢えているからとは限りません。
長い間感じられなかった「女性として見られる自分」を、もう一度確認したいのかもしれません。
好きな男性から可愛いと言われたい。
身体を見てドキッとしてほしい。
触れたい、抱きたいと思われたい。
その気持ちは否定しなくて構いません。
ただ、一人の相手から求められないことと、あなたに女性としての価値がないことは同じではありません。
相手の反応だけで、自分の体型、年齢、身体、女性としての魅力を決めなくてもよいのです。
「求められたい自分」を消すのではなく、その自分が本当は誰に何を望んでいるのかを知る。
同時に、自分のために選ぶ時間や、自分の身体で感じる心地よさを少しずつ取り戻していく。
それが、男性から評価されるためだけではない、女性としての自信につながっていくことがあります。
一人では自分の気持ちを整理することが難しいと感じたときは、お問い合わせ・ご相談からお話を聞かせてください。
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