夫にセックスを誘われても、その気になれない。
「今日は疲れているから」と断ったあと、一人になると自慰をすることがある。
恋愛ドラマのキスシーンにドキッとしたり、素敵な男性を見て性的な想像をしたりすることもある。
そんな自分に気づくと、
「私、性欲がないわけではないんだ」
と思う一方で、別の疑問が出てくることがあります。
「夫とはしたくないだけ?」
「夫以外の男性ならしたいの?」
「夫への愛情がなくなったのかな」
夫とのセックスは望めないのに、自分の中には性的な気持ちが残っている。
そのことに安心するより、罪悪感や戸惑いを覚える女性もいると思います。
しかし、性欲があること、夫を大切に思っていること、夫とのセックスをしたくないことは、同時に存在する場合があります。
性欲そのものと、誰に対して、どのような状況で性的な気持ちが動くかは同じではないからです。
この記事では、性欲はあるのに夫とはしたくない理由と、「夫以外なら」と考えてしまう気持ちの中身を整理します。
性欲の有無にかかわらず、夫を拒みたくなる理由全体を知りたい方は、夫とセックスしたくないのはなぜ?嫌いじゃないのに拒む理由をご覧ください。
性欲と「夫とセックスしたい」は同じではありません
性欲があれば、夫ともセックスしたくなるはず。
そう考えると、自分の状態が矛盾しているように感じます。
しかし、性欲は「ある・ない」だけで決まるものではありません。
例えば、次のような気持ちは少しずつ違います。
- 身体的な性的欲求を感じる
- 自慰をして気持ちよくなりたい
- 誰かに触れられたい
- 男性から求められたい
- 恋愛のようなドキドキを感じたい
- 特定の相手とセックスしたい
- 夫とセックスしたい
自慰をしたいと思うことと、夫に触れられたいと思うことが一致しない場合もあります。
男性から求められる想像には興奮しても、実際に特定の男性と関係を持ちたいわけではない場合もあります。
つまり、「性欲はあるけど夫とはしたくない」という状態は、性欲が矛盾しているのではありません。
性的な欲求は残っているけれど、その欲求が現在の夫とのセックスには結びついていないと考えると分かりやすくなります。
性的な気持ちは、相手だけでなく状況によっても変わります
性的な気持ちは、相手の見た目や愛情だけで起こるものではありません。
誰といるかに加えて、
- どのような場所にいるか
- どのような気分か
- 自分がどう扱われているか
- どのように触れられるか
- その後に何が起こると予想しているか
- 日常から少し離れられているか
なども関係します。
恋愛ドラマの中では、生活感のない二人が見つめ合い、ゆっくり近づき、キスをします。
一方、現実では、家事を終えて歯を磨き、明日の予定を考えているところへ、夫が突然胸を触ってくる。
どちらも男性と女性の性的な場面ですが、自分の中で起こる感情は同じではありません。
夫以外の男性を想像すると気持ちが動くのは、その男性自身だけでなく、日常から離れた状況や、求められ方、触れられ方に反応している可能性もあります。
夫を見ると、妻や母としての日常に戻ってしまう
夫は、恋人であると同時に、一緒に生活をする家族です。
家計、家事、子ども、仕事、学校の予定。
夫の顔を見ると、性的なことより先に、日常生活に関することが浮かぶ女性もいるでしょう。
「明日のゴミを出してほしい」
「子どもの準備をしなければ」
「洗濯物がまだ残っている」
恋人だった頃は、夫と会うこと自体が特別な時間だった。
しかし現在は、夫といることが生活そのものになっています。
夫から求められても、頭の中では妻や母としての役割が続いていて、一人の女性としての気持ちへ切り替わらないことがあります。
反対に、日常生活と関係のない男性から女性として見られると、妻でも母でもない自分を意識しやすくなります。
そのため、夫以外の男性にドキッとしたからといって、単純にその男性の方が魅力的だからとは限りません。
夫には日常生活が結びつき、夫以外の男性には非日常や女性としての自分が結びついているという違いも考えられます。
夫への不満が、性的な気持ちを止めている
夫を嫌いになるほどではなくても、小さな不満が積み重なっていることがあります。
自分ばかり家事や育児をしている。
夫は自由に出かけるのに、自分には一人になる時間がない。
話を聞いてほしいのにスマホを見ている。
感謝やねぎらいの言葉がない。
普段は夫婦として生活できていても、その不満が消えたわけではありません。
そのような相手から夜だけ性的に求められると、
「日中は私のことを見ていないのに」
「自分がしたいときだけ触るんだ」
と感じることがあります。
夫への愛情はあっても、積み重なった不満によって、性的な距離を近づける気持ちになれない場合があります。
一方、夫以外の男性には、家事や育児の不満が結びついていません。
現実の生活を一緒にしていないからこそ、純粋に男性として見ることができます。
その違いが、「夫以外なら」と感じる理由になることもあります。
夫とのセックスで、自分の気持ちよさが置き去りになっている
性欲はあるのに夫とはしたくない場合、これまでのセックスの内容も振り返ってみる必要があります。
夫がしたくなったときに始まる。
キスをして、胸や下半身を触られ、挿入する。
夫が射精したら終わる。
自分も反応はするけれど、十分に気持ちが高まっていない。
本当は気持ちよくなくても言いづらい。
恋人だった頃は、彼を喜ばせることが嬉しかった。
可愛く反応したり、フェラをしたり、ときにはイッたように見せたりした。
しかし、結婚して生活が忙しくなると、夫を満足させるためだけのセックスを続けることが負担になる場合があります。
自分が気持ちよくなれない時間を、疲れている中で繰り返したいとは思えない。
それでも身体には性欲があるため、一人なら自慰をする。
この場合、性欲がなくなったのではありません。
自分の欲求や気持ちよさが満たされない夫とのセックスを、もう求められなくなっている可能性があります。
夫は好きでも、二人のセックスを楽しめていない方は、セックスが気持ちよくない…大好きなパートナーなのに感じにくい理由も参考にしてください。
夫に触られたとき、その先に起こることまで想像している
夫からキスをされたり胸を触られたりした瞬間に、気持ちが冷める女性もいます。
触れ方が嫌だからという場合もありますが、身体はその先に何が起こるかまで予測しています。
「このままセックスになる」
「またいつもの流れになる」
「気持ちよくないけれど、最後まで応じなければならない」
「断ったら夫が不機嫌になる」
このような経験が続いていると、最初の触れ合いの段階から避けたくなります。
夫の身体に触れられた瞬間に嫌悪感が出るとしても、夫という人間そのものを嫌っているとは限りません。
これまで繰り返してきたセックスの流れに対して、「また同じことが始まる」と感じている可能性があります。
反対に、想像の中の男性には過去のパターンがありません。
自分が望む触れられ方や、自分が気持ちよくなれる展開を自由に思い描けます。
そのため、現実の夫には気持ちが動かなくても、夫以外の男性との妄想には興奮できることがあります。
夫婦として近すぎて、性的な新鮮さを感じにくい
長く一緒に暮らしていると、相手に慣れることがあります。
どのような話をするか。
どのような顔で眠るか。
次にどのように触れてくるか。
セックスがどのような順番で進むか。
すべて予想できるようになります。
人の脳は、新しい刺激と繰り返し経験している刺激に、まったく同じ反応をするわけではありません。
繰り返されるものへの反応が落ち着くことを、心理学では馴化と呼びます。
これは、夫への愛情がなくなったという意味ではありません。
信頼や親しさは深くなっていても、性的な新鮮さや期待は弱くなることがあります。
一方、知らない男性や恋愛の妄想には、何が起こるか分からない新しさがあります。
そのため、「夫以外ならしたい」と感じても、実際に夫以外の男性を愛しているとは限りません。
自分が反応しているのは、相手ではなく、新鮮さや予測できなさかもしれません。
夫から「求められること」に満たされなくなっている
夫とのセックスはしたくないのに、ほかの男性から女性として見られると嬉しい。
この場合、求めているのはセックスそのものだけではない可能性があります。
夫婦になる前は、夫から会いたいと言われた。
可愛い、きれいだと言われた。
キスや身体への触れ方から、自分を女性として求めていることが伝わった。
しかし、結婚後は妻や子どもの母親として扱われる時間が増え、女性として見られている実感が少なくなることがあります。
そんなとき、夫以外の男性から褒められたり、視線を向けられたりすると、
「私はまだ女性として見てもらえるんだ」
と感じます。
その嬉しさを、すぐに「この男性とセックスしたい」と判断する必要はありません。
求めているのは、
- 女性として見られること
- 自分の魅力を感じること
- 誰かから特別に選ばれること
- 妻や母ではない自分を思い出すこと
かもしれないからです。
「求められたい」という気持ちが中心になっている方は、セックスレスで女性として自信を失ったあなたへ|「求められたい」気持ちを考えるで詳しく整理しています。
夫以外の男性にドキッとするのは浮気したいから?
結婚していても、夫以外の男性を見て、かっこいいと感じることはあります。
男性から「きれいですね」と言われて嬉しくなることもあります。
美容師などから丁寧に扱われ、久しぶりに女性として意識されたように感じることもあるでしょう。
その人のことを少し思い出しただけで、
「夫に不満があるから?」
「私は浮気したいの?」
と自分を責める女性もいます。
しかし、誰かにドキッとしたことと、その人と現実に関係を持ちたいことは同じではありません。
感情や妄想が浮かぶことと、その後どのように行動するかも別です。
まずは、
「その男性の何に反応したのだろう」
と考えてみてください。
見た目なのか。
自分を女性として扱ってくれたことなのか。
日常にはない新鮮さなのか。
誰かに大切に見てもらえた感覚なのか。
その答えは、自分が現在の生活や夫婦関係の中で何を求めているかを知る手がかりになります。
「夫以外なら」と考える妄想が示しているもの
夫以外の男性とキスをしたり、セックスをしたりする想像に興奮することもあると思います。
そのような妄想があると、
「本当は夫以外の男性に抱かれたいんだ」
と結論を出したくなるかもしれません。
しかし、妄想の中で惹かれているものは、人によって違います。
- 知らない男性との新鮮さ
- 恋愛を始めるときの高揚
- 男性から強く求められること
- 妻や母ではない自分
- 自分のために丁寧に触れられること
- 相手に合わせず気持ちよくなること
- 現実の家事や人間関係から離れること
妄想では、生活上の不満も、いつものセックスの流れもありません。
自分の望む場面だけを自由に作れます。
そのため、妄想へ気持ちが動くことは、必ずしも現実に夫以外の男性とセックスすべきだという答えではありません。
妄想は行動の指示ではなく、自分の欲求を知る手がかりとして見ることができます。
自分が本当に求めているものを分けてみる
「性欲はあるけど夫とはしたくない」と感じたときは、何を求めているのかを少し細かく分けてみてください。
身体的な欲求を満たしたい
ムラムラする感覚があり、自慰や性的な刺激で気持ちよくなりたい。
この場合は、身体的な性欲が中心です。
誰かと性的に触れ合いたい
自慰だけではなく、男性の身体に触れたり、自分も触れられたりしたい。
人との性的な接触を求めている状態です。
女性として求められたい
セックスそのものより、「あなたがいい」「触れたい」と男性から思われることを求めている。
自分の魅力や女性としての感覚に関係しています。
恋愛のようなドキドキを感じたい
見つめ合う、少しずつ距離が近づく、初めてキスをする。
そのような高揚や新鮮さを求めていることがあります。
自分が気持ちよくなれるセックスをしたい
夫を満足させるためではなく、自分の反応を見ながら丁寧に触れられたい。
今までとは違う、自分のための性的な時間を求めている状態です。
妻や母ではない自分を感じたい
毎日の役割から少し離れ、一人の女性として扱われたい。
性的な欲求だけでなく、自分自身のあり方に関わる気持ちです。
複数当てはまっても構いません。
すぐ一つの答えに決めるより、何が強いのかを知る方が、今後の選択を考えやすくなります。
自分の性欲を、すぐに夫婦の結論へ結びつけなくていい
性欲があるのに夫とはしたくないと気づくと、
「夫とのセックスを変えなければ」
「夫以外の男性を探すしかない」
「ずっと我慢するしかない」
という結論を急いでしまうことがあります。
しかし、その前にできることがあります。
自分には、どのようなときに性的な気持ちが起こるのか。
どのような妄想に惹かれるのか。
何をされると嫌で、何なら心地いいのか。
挿入がしたいのか、それともキスや外側への刺激を求めているのか。
夫への不満と、セックスそのものへの不満を分けられるか。
これらを整理するだけでも、「性欲はある」という言葉の中身が見えてきます。
自分の身体や欲求を知ることと、誰かと性行為をすることは同じではありません。
誰かに合わせるためではなく、自分自身への興味として、身体や性的な気持ちを知ってもいいと思います。
夫との関係をどうするかは、望みが見えてから考える
自分が何を求めているのかが少し分かると、夫との関係で考えたいことも具体的になります。
夫への日頃の不満が大きいのであれば、セックスの仕方より、生活や関係を見直す必要があります。
夫とのセックスで気持ちよくなれないのであれば、触れ方や進め方について考える必要があります。
女性として見られていないことがつらいのであれば、回数だけを増やしても満たされない可能性があります。
性的な新鮮さを求めているのであれば、いつもの時間や場所、始まり方を変えることが役立つかもしれません。
ただし、自分が望んでいることを夫に伝えたからといって、必ず関係が変わるわけではありません。
夫が話を聞くか、二人で考えようとするかも重要です。
夫とのセックスを再開することだけをゴールにせず、自分の気持ちを夫婦の中で扱えるのかという視点も持っておいてください。
性欲はあるけど夫とはしたくない女性によくある質問
夫とはしたくないのに自慰をするのはおかしいですか?
おかしいことではありません。
自慰は、自分のタイミングで好きな刺激を選び、自分のペースでできます。
夫婦のセックスには、夫への気持ち、生活上の不満、触れられ方、過去の経験、相手への配慮などが加わります。
そのため、自慰をしたい気持ちと、夫とのセックスをしたい気持ちが一致しないことがあります。
夫以外の男性とセックスする妄想は浮気願望ですか?
妄想しただけでは、現実に浮気を望んでいるとは判断できません。
妄想の中の男性そのものではなく、新鮮さ、恋愛の高揚、求められる感覚、自分が気持ちよくなる展開に惹かれている場合もあります。
妄想と現実の行動を分けたうえで、何に興奮しているのかを見てみてください。
夫以外の男性に求められたいと思うのは、性欲が強すぎるからですか?
「求められたい」という気持ちは、セックスだけを意味しません。
女性として見られたい、魅力があると感じたい、男性から特別に選ばれたいという気持ちが含まれることがあります。
身体的な性欲と、女性として認められたい気持ちは分けて考える必要があります。
夫に触られると嫌なのに、ほかの男性ならと思うのはなぜですか?
夫の触れ方には、これまでのセックスや夫婦生活の記憶が結びついています。
「またいつもの流れになる」「最後まで応じなければならない」と予測して気持ちが止まることもあります。
一方、想像上の男性には過去のパターンがなく、自分が望む触れられ方を自由に思い描けます。
相手の違いだけでなく、そこに結びついている状況や期待の違いも考えてみてください。
夫への愛情がなくなったのでしょうか?
夫とのセックスを望めないことだけでは判断できません。
家族として大切に思う気持ちと、性的に求める気持ちは同じではないからです。
日常の会話や触れ合いもすべて避けたいのか、性的な関係だけを望めないのかを分けてみると、現在の気持ちが見えやすくなります。
夫とはしたくないけれど、もっと気持ちいいセックスを経験したいです
もっと気持ちよくなりたいと思うこと自体を、恥ずかしいこととして扱う必要はありません。
ただ、すぐに「誰とするか」を決める前に、自分が何を気持ちいいと感じ、どのように触れられたいのかを整理することが大切です。
自分で身体を知る方法もあれば、夫と話し合って二人のセックスを見直す方法もあります。
自分の望みを知ってから、どのような選択が自分に合うのかを考えても遅くありません。
まとめ|夫以外の男性ではなく、違う自分や時間を求めていることもあります
夫とのセックスはしたくない。
それでも自慰をすることがあり、性的なことに興味もある。夫以外の男性にドキッとしたり、求められる想像に興奮したりする。
そのような自分に気づくと、夫への愛情や浮気願望を疑いたくなるかもしれません。
しかし、性欲は相手だけで決まるものではありません。
夫には、妻や母としての日常、家事や育児への不満、これまでのセックス、いつもの触れられ方が結びついています。
一方、夫以外の男性や妄想には、新鮮さ、女性として求められる自分、自分が気持ちよくなれる時間が結びついていることがあります。
あなたが求めているのは、本当に「夫以外の男性」なのでしょうか。
それとも、
- 女性として見られること
- 恋愛のような高揚
- 自分のために丁寧に触れられること
- 妻や母ではない自分
- 自分が気持ちよくなれるセックス
なのでしょうか。
「夫とはしたくないのに性欲がある」と、自分を責める必要はありません。
夫とのセックスをどうするか決める前に、まず自分の性欲が何を求めているのかを知ってみてください。
一人では自分の気持ちや身体の感覚を整理することが難しいと感じたときは、お問い合わせ・ご相談からお話を聞かせてください。
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