夫のことが嫌いなわけではない。
普通に会話もするし、家族として大切な人だと思っている。離婚したいわけでもない。
それなのに、夫とのセックスはしたくない。
夜、夫が近づいてくると、「今日は疲れているから」「もう眠いから」と断ってしまう。
夫に申し訳ないと思っても、次に誘われたときもやはり気が進まない。
「夫を嫌いになったわけではないのに、どうしてしたくないんだろう」
「私の性欲がなくなったのかな」
と、自分でも理由が分からなくなっている女性もいると思います。
しかし、夫とのセックスをしたくない理由は、愛情や性欲の有無だけでは説明できません。
疲労、家事や育児、誘われるタイミング、夫への不満、触れられ方、これまでのセックスなど、毎日の中にある小さな理由が重なっていることがあります。
この記事では、嫌いではない夫を拒みたくなる理由を整理しながら、自分の中で何がセックスを遠ざけているのかを考えていきます。
性欲はあるのに夫だけとはしたくないことが明確な方は、性欲はあるけど夫とはしたくない…セックスレスで揺れる女性の気持ちをご覧ください。
夫への愛情と、セックスしたい気持ちは同じではありません
夫を大切に思っているなら、セックスもしたいはず。
そのように考えると、夫を拒んでしまう自分の気持ちが分からなくなります。
しかし、
- 家族として大切に思う
- 一緒に暮らしていきたい
- 手をつないだりハグしたりしたい
- 性的に触れられたい
- セックスしたい
という気持ちは、関連していてもすべて同じではありません。
家族としての愛情があっても、その日の疲労や夫への不満によって性的な気持ちが動かないことがあります。
夫には触れられたくないけれど、手をつないだり、何も求められずに抱きしめられたりすることは望んでいる女性もいます。
反対に、夫婦として会話や生活に問題がなくても、性的な関係だけは望めなくなっている場合もあります。
そのため、夫とセックスしたくないことだけで、「もう愛情がない」と決める必要はありません。
「したい気持ち」より「したくない理由」が強くなっている
性的な気持ちは、性欲があるかないかの二択ではありません。
性科学には、性的な反応をアクセルとブレーキのように考える見方があります。
興味、親密な触れ合い、自分に合った刺激などは、性的な気持ちを動かすきっかけになります。
一方で、
- 疲れている
- 子どもが起きそう
- 夫にイライラしている
- 痛みや乾燥が気になる
- また応じなければならないと感じる
- 自分が気持ちよくなれない
- 終わったあとの片づけが面倒
といったことは、性的な気持ちにブレーキをかけます。
性欲が完全になくなったわけではなくても、ブレーキになる要素が多ければ、夫に誘われたときに「したくない」が先に出ます。
大切なのは、無理に性的な気持ちを起こそうとすることではありません。
まずは、自分の中で何がブレーキになっているのかを分けてみることです。
夫とセックスしたくない主な理由
一日の終わりにセックスをする余力が残っていない
仕事をして、夕食を作り、片づけをして、お風呂に入る。
子どもがいれば、食事、お風呂、明日の準備、寝かしつけまで続きます。
ようやく一日が終わり、パジャマに着替えてベッドへ入った。
そのタイミングで夫から触れられると、
「今から?」
と思うことがあります。
セックスそのものが嫌いなのではなく、服を脱ぎ、身体を動かし、終わったあとに身体を拭いたり洗ったりすることまで考えると面倒になる。
明日は早いから、一分でも長く眠りたい。
ようやくできた自分の時間を、誰にも求められずに過ごしたい。
一つひとつは小さな理由に見えます。
しかし、自分の余力がほとんど残っていない状態では、その小さな負担がセックスを断る十分な理由になります。
夫が嫌なのではなく、今から何かを始める力が残っていないのかもしれません。
夫が誘ってくる時間と、自分の気分が合っていない
女性側に性的な気持ちが起こらないとは限りません。
昼間、夫と二人で出かけたときには、少し触れられたいと思っていた。
メイクや服装が整っていて、母や妻ではなく、一人の女性として過ごせたときならキスされたかった。
それなのに、その時間には何もなく、家事もお風呂も終わって眠るだけになった頃に誘われる。
「どうして今なの?」
と思うこともあります。
夫は「夜、ベッドへ入ってから」が自然だと思っていても、妻にとっては最も疲れ、気持ちがセックスから離れている時間かもしれません。
これは性欲がないのではなく、二人の性的な気持ちが動くタイミングが合っていない状態です。
毎回寝る直前に誘われると、セックスが一日の最後に追加される予定外の家事のように感じられることもあります。
子どものことが気になって集中できない
子どもが生まれると、したいかどうか以前に、二人きりになることが難しくなります。
子どもが隣で寝ている。
別の部屋にいても、いつ起きるか分からない。
声やベッドの音が気になる。途中で「ママ」と呼ばれるかもしれない。
夫に触れられて少しその気になっても、頭のどこかでは子どもの様子を気にしている。
これでは、恋人だった頃と同じように、二人の時間へ集中することは難しくなります。
さらに、寝かしつけをしているうちに自分も眠ってしまうことがあります。
「夫とはしたくない」というより、現在の生活の中にセックスへ向かえる時間と環境がなくなっている可能性があります。
産後から変化が続いている場合は、産後にセックスレスになるのはなぜ?女性の身体と夫婦関係の変化で詳しく整理しています。
一日中誰かに触れられ、もう身体を使いたくない
子育て中は、子どもに抱っこを求められたり、服を引っ張られたり、身体へ触れられ続けたりすることがあります。
仕事でも家庭でも人に応え続け、ようやく一人になれた。
その瞬間に夫から性的に触れられると、
「やっと誰にも求められない時間になったのに」
と感じることがあります。
夫としては、子どもが寝てようやくできた二人の時間なのかもしれません。
しかし妻側は、一日中続いていた「誰かの要求へ応える時間」の延長として受け取っていることがあります。
妻や母として一日を過ごしたあと、数分で「夫に抱かれたい女性」へ切り替わることが難しい夜もあります。
家事や育児への不満が寝室まで残っている
妻が夕食の片づけをしている横で、夫はスマホを見ていた。
子どもを寝かしつけている間も、夫は自分の時間を過ごしていた。
洗濯物やゴミも、言わなければ気づかない。
そのような一日を過ごしたあと、ベッドで夫から求められると、
「その前に、一緒にしてほしいことがあった」
と思う女性もいるでしょう。
昼間に感じた不満は、寝室へ入ったからといって消えるわけではありません。
日常では自分ばかりが負担していると感じる相手に、夜だけ性的な気持ちを向けることが難しい場合があります。
これは「家事をすればセックスに応じる」という取引ではありません。
普段から自分も大切にされている、二人で家庭を支えていると感じられることが、夫への見方にも影響するということです。
夫への小さな不満が積み重なっている
大きな喧嘩をするほどではなくても、夫への小さな不満が残っていることがあります。
自分の趣味や飲み会には時間とお金を使う。
家族のことになると面倒そうにする。
話を聞いてほしいときにスマホを見ている。
頼んだことを忘れる。
感謝やねぎらいの言葉がない。
一つだけなら受け流せても、何度も続くと夫との心理的な距離が広がります。
家族として普通に話すことはできる。
夫として嫌いになったわけでもない。
それでも、性的な距離まで近づこうとすると、日頃の不満が浮かんでくる。
「夫として嫌いではない」と「今日、この人に抱かれたい」は同じではありません。
普段は触れないのに、セックスのときだけ触られる
日中には手をつなぐことも、ハグすることもない。
何気なく肩へ触れたり、夫から優しく抱きしめられたりすることもなくなった。
それなのに、夫がセックスをしたいときだけ胸やお尻を触ってくる。
妻側は、
「私はセックスするための身体ではない」
と感じることがあります。
本当は昼間に抱きしめられたかった。
手をつないだり、ゆっくりキスをしたり、その続きとして触れられたら気持ちが違ったかもしれない。
しかし、普段の触れ合いがなく、性的な触れ方だけが突然始まると、触られた瞬間に「セックスを求められている」と身構えるようになります。
セックスそのものではなく、その誘われ方や触れられ方を望んでいない可能性があります。
キスやハグの先に必ずセックスがある
以前は好きだったキスやハグまで避けるようになる女性もいます。
これは、夫への愛情がなくなったからとは限りません。
キスを受け入れたら、セックスまで応じなければならない。
ハグをしたら胸やお尻を触られる。
途中でやめたら夫を傷つける。
そのように感じていると、最初から触れ合いを避けた方が楽になります。
セックスを断りたいのであっても、毎回その場で拒否することには負担があります。
そのため、「その先へ進むかもしれない触れ合い」自体を避けるようになるのです。
夫側からは「触れることまで嫌われた」と見えるかもしれません。
しかし妻側では、セックスを断る場面を作りたくないために距離を取っている場合があります。
夫のために応じるセックスが続いてきた
本当はしたくないけれど、最近していないから応じる。
何度も断るのは申し訳ない。
浮気されたら困る。
夫婦なのだから、たまにはしなければならない。
そのような気持ちでセックスへ応じてきた女性もいると思います。
一度であれば、それほど気にならないかもしれません。
しかし、義務感によるセックスが続くと、誘われた瞬間から「また応じなければならない」と感じるようになります。
性的な触れ合いが、自分の意思とは関係なく果たす役割になっていくからです。
すると、セックスだけでなく、そのきっかけになるキスやハグまで避けたくなることがあります。
断ることに罪悪感を持つ。
我慢して応じる。
楽しめないため、次はもっとしたくなくなる。
この循環が続くほど、夫とのセックスへの抵抗は強くなっていきます。
夫婦であっても、したくないときに応じる義務はありません。
「夫婦だからしなければ」と自分の気持ちを後回しにしてきたことが、現在の拒みたい気持ちにつながっている可能性もあります。
夫とのセックスを気持ちいいと思えない
夫とのセックスそのものを、楽しみに思えなくなっている場合もあります。
いつも夫がしたくなったときに始まる。
触れ方や順番も毎回同じ。
十分に気持ちが高まる前に挿入される。
痛みや違和感があっても言えない。
自分はあまり気持ちよくないまま、夫が満足すると終わる。
このようなセックスが続いていれば、「またしたい」と思いにくくなるのは不自然ではありません。
恋人だった頃は、夫に喜んでもらうために反応していた女性もいるでしょう。
気持ちよさそうに見せたり、イッたふりをしたり、本当は望んでいないことにも応じたりしてきた。
しかし、仕事や家事、育児で疲れている中で、同じように夫を喜ばせるためのセックスを続けることが苦しくなる場合があります。
性欲がなくなったのではなく、これまでの夫とのセックスを、もうしたいと思えなくなっているのかもしれません。
夫への愛情はあるけれどセックスを楽しめていない方は、セックスが気持ちよくない…大好きなパートナーなのに感じにくい理由も参考にしてください。
痛みや乾燥など、身体に負担がある
挿入時に痛みがある、以前より濡れにくい、触れられると違和感がある。
こうした身体的な負担も、セックスを避けたくなる理由になります。
一度痛みを経験すると、「次も痛いかもしれない」と考え、誘われただけで気持ちが向かなくなることがあります。
出産、更年期などによるホルモンの変化、服用している薬、婦人科系の病気などが関係する場合もあります。
痛みを我慢して続ける必要はありません。
急に状態が変化した、出血がある、痛みや強い乾燥が続いている場合は、婦人科などの医療機関へ相談してください。
自分がなぜ夫を拒むのか整理してみる
「夫としたくない」と感じたときは、次のように分けてみると、自分の中で何が起きているのかが見えやすくなります。
- 疲れていない日でもしたくないか
- 昼間など別の時間なら気持ちは変わるか
- 子どもや仕事を気にしなくてよい環境ならしたいか
- キスやハグだけなら夫としたいか
- セックスへ進まないと分かっていれば触れられたいか
- 夫への不満が少ない日でもしたくないか
- 誘われ方や触れられ方が違えば気持ちは変わるか
- 痛みや乾燥がなければしたいか
- 自分も気持ちよくなれるセックスならしてみたいか
- セックスそのものに関心がないのか、夫とだけしたくないのか
すぐに答えが出なくても構いません。
夫とのセックスを再開する方法より先に、自分が何を望まず、何なら望んでいるのかを知ることが大切です。
「また夫としたい」と思うことだけがゴールではありません
夫とセックスしたくない女性が、全員「以前のように戻りたい」と思っているわけではありません。
恋人だった頃のように、また夫に抱かれたい女性もいます。
今までと同じセックスならしたくないけれど、触れられ方や二人の関係が変われば考えたい女性もいます。
今はセックスよりも、一人で休む時間を必要としている女性もいるでしょう。
自分でもまだ分からない場合もあります。
先に「セックスレスを解消する」と決めると、自分の気持ちが再び置いていかれることがあります。
最初に考えたいのは、「どうすれば夫とできるか」ではなく、「自分は本当はどうしたいのか」です。
夫とまたセックスしたいと思えるなら、何が変わればそう思えるのか。
今はしたくないのであれば、夫に何を分かってほしいのか。
その整理が、これからの夫婦関係を考える出発点になります。
夫とセックスしたくない女性によくある質問
夫とキスするのも嫌なのは、愛情がなくなったからですか?
キスをしたくないことだけで、愛情がなくなったとは判断できません。
「キスをするとセックスになる」と感じている場合、その先を断る負担を避けるために、キスそのものを避けることがあります。
日常的な触れ合いもすべて嫌なのか、性的な流れになる触れ合いだけを避けたいのかを分けてみてください。
夫が触ってくるとイライラするのはなぜですか?
触られた瞬間だけでなく、その前の出来事が影響している場合があります。
家事や育児で疲れている、夫への不満が残っている、ようやく一人になれた、眠ろうとしていた。
そのような状態で性的に触れられれば、「今はやめてほしい」と感じることがあります。
また、触れられると必ずセックスへ進む関係になっている場合は、身体に触れられること自体を避けたくなることもあります。
夫としたくない私は、セックスレスの原因ですか?
妻が断っているという事実だけで、妻だけが原因とは言えません。
なぜ断るようになったのかまで含めて考える必要があります。
生活環境、家事や育児の負担、夫婦関係、誘われ方、触れられ方、これまでのセックスなどが積み重なっている可能性があるからです。
誰が悪いかを決めるより、拒むようになるまでに何があったのかを見る方が、現在の状態を理解しやすくなります。
夫とセックスしたくないけれど、自慰はします。矛盾していますか?
矛盾とは限りません。
自慰は、自分のタイミングで好きな刺激を選び、自分のペースでできます。
夫婦のセックスには、相手との関係、タイミング、触れ方、気持ちよさ、生活環境など、別の要素が加わります。
一人では性欲を感じるのに夫とはしたくない場合は、性欲はあるけど夫とはしたくない…セックスレスで揺れる女性の気持ちで、この違いを詳しく扱っています。
夫に申し訳ないので、時々は応じた方がいいですか?
したくないのに応じ続けると、セックスへの抵抗がさらに強くなることがあります。
夫婦であっても、セックスはどちらか一方の義務ではありません。
申し訳なさだけで応じる前に、現在したくないことと、その理由を夫婦で共有する方が大切です。
ただし、話すこと自体が怖い、怒られたり無理強いされたりする可能性がある場合は、二人だけで解決しようとせず、信頼できる人や専門機関へ相談してください。
また夫とセックスしたいと思えるようになりますか?
感じ方が変化する可能性はありますが、必ず以前の状態へ戻るとは言えません。
疲労や生活環境、夫婦間の不満、誘われ方、痛み、セックスの内容など、何がブレーキになっているかによって考え方が変わります。
最初から再開を目標にするのではなく、「何なら嫌ではないか」「何が変われば考えられるか」を確認するところから始めてください。
まとめ|夫が嫌いではなくても、セックスしたくないことはあります
夫とのセックスをしたくなくなる理由は、一つとは限りません。
疲れている。
誘われる時間が合わない。
子どものことが気になって集中できない。
家事や育児への不満が残っている。
普段は触れ合わないのに、セックスのときだけ触られる。
義務感で応じることに疲れた。
夫とのセックスを気持ちいいと思えない。
痛みや乾燥がある。
こうした一つひとつが重なり、「今日はしたくない」が「夫とはしたくない」に変わっていくことがあります。
だから、夫を拒んでしまう自分を見て、すぐに「愛情がない」「性欲がなくなった」と決めなくてもいいと思います。
夫とまたしたいのか。
これまでと違う触れられ方なら考えられるのか。
今は誰にも触れられずに休みたいのか。
まずは自分の中にある「したくない」の中身を分けてみてください。
一人では自分の気持ちを整理することが難しいと感じたときは、お問い合わせ・ご相談からお話を聞かせてください。
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