「もっと感じられるようになりたい。」
セックスが気持ちよくない状態が続けば、そう思うのは自然なことだと思います。
ところが、真剣に改善しようとするほど、
「今日はちゃんと感じられるかな」
「相手をがっかりさせないかな」
「普通はもっと気持ちいいものなのかな」
と、頭の中で自分の反応を確認するようになることがあります。
実は、この「感じなきゃ」というプレッシャーそのものが、性的な感覚へ注意を向けにくくすることがあります。
この記事では、感度を高める方法ではなく、「感じることを頑張りすぎてしまう状態」から、セックスが気持ちよくない改善について考えていきます。
セックスを「ちゃんとできているか」確認していませんか?
セックスの最中、本当は身体で感じているはずなのに、頭の中では別のことを考えている。
そんな経験はないでしょうか。
「ちゃんと反応できているかな」
「相手は満足しているかな」
「今の反応は変じゃないかな」
このとき、意識は自分の感覚そのものではなく、自分を評価することへ向いています。
性科学では、注意の向け方や認知的な注意散漫が性的反応と関係することが研究されています。
性的機能に関する研究をまとめた系統的レビューでも、注意散漫や注意の焦点、自動的に浮かぶ考え、パフォーマンスへの要求などが、性的機能と関連する認知的要因として挙げられています。
少し分かりやすく言えば、身体ではなく「採点表」を見ながら過ごしているような状態です。
もちろん、考え事をしただけで感じなくなるわけではありません。
ただ、身体から届いている感覚よりも、「できているか」「どう見られているか」に注意が向き続ければ、目の前の感覚へ気づきにくくなることはあります。
セックス中にいろいろなことを考えてしまう方は、セックスで集中できない理由|気持ちよくない女性へも参考にしてください。
「感じなきゃ」がプレッシャーへ変わることがあります
感じられるようになりたいと思うこと自体は、悪いことではありません。
問題になるのは、その願いがいつの間にか、
「感じなければならない」
へ変わってしまったときです。
例えば、以前気持ちよくなれなかった経験があると、次の機会には「今度こそ」と思うことがあります。
すると、少し時間が経つたびに、
「まだ感じない」
「今回もダメかもしれない」
と確認し始めます。
こうなると、セックスが「感じる時間」ではなく、自分の性的反応をテストする時間になってしまいます。
さらに相手がいる場合は、自分の感覚だけではありません。
「相手を満足させたい」
「反応しないと申し訳ない」
「長く待たせている気がする」
そんな気持ちが重なることもあります。
その結果、本来は自分の身体を感じる時間なのに、意識の大部分が相手や結果へ向いてしまうことがあります。
改善のために「感じた・感じない」だけで判断しない
では、どう考えればいいのでしょうか。
一つは、セックスの結果を「感じた・感じなかった」の二択だけで評価しないことです。
性的な感覚は、毎回同じように起こるわけではありません。
そして、「気持ちいい」とはっきり分かる感覚だけが身体の反応でもありません。
例えば、
- 今日は前より緊張が少なかった
- 嫌だと思う感覚が分かった
- 少し心地いい場所があった
- 途中で身体に力が入っていることに気づいた
- 今日はあまり気分が乗っていないと分かった
これらも、自分の身体について得られた情報です。
大切なのは、すべてを「改善した証拠」と考えることではありません。
その日の身体を、そのまま把握する材料として見ることです。
「今日は感じられなかった。だから失敗」ではなく、
「今日はどんな状態だったんだろう」
と少し見方を変えてみる。
それだけでも、自分を採点する時間から、自分の身体を知る時間へ変わりやすくなります。
「考えないようにする」のも正解ではありません
ここで注意したいことがあります。
「考えすぎが関係するなら、何も考えないようにしよう」
と思う必要はありません。
考えないように頑張ること自体が、新しい課題になってしまうからです。
そこで参考になるのが、マインドフルネスの考え方です。
マインドフルネスでは、頭に浮かぶ考えを無理に消すのではなく、今起きていることへ判断を加えすぎずに注意を戻していきます。
女性の性的関心や興奮の悩みを対象に、マインドフルネスを取り入れた心理的介入を調べた研究もあり、性的欲求や興奮、性的な苦痛などの改善が報告されています。
ただし、「マインドフルネスをすれば必ず感じられる」という意味ではありません。
感じにくさには、身体の状態、ホルモン、薬、痛み、乾燥、関係性など、さまざまな要因が関係することがあります。
ここで取り入れたいのは、特別な訓練というより、
「また考えているな」
と気づいたときに、
「今、自分の身体はどう感じているかな」
と戻ってみる考え方です。
身体へ注意を向ける具体的な習慣については、別の記事で詳しく整理しています。
改善とは「もっと感じられる女性になること」だけではありません
セックスが気持ちよくないと、どうしても「感じられる女性にならなければ」と思ってしまうことがあります。
でも、本当に必要なのはそこだけでしょうか。
「これは好き」
「これはあまり好きではない」
「今日はしたくない」
「ここは落ち着く」
そうした自分自身の感覚が分かることも、大切な変化です。
感じやすさは一つの要因だけで決まるものではありません。
睡眠不足や疲労、ストレス、身体の緊張、ホルモンの変化、一部の薬などが関係する場合もあります。
以前と比べて急に感覚が変わった、痛みや強い乾燥がある、薬を飲み始めてから明らかに変わった場合などは、婦人科などへ相談することも選択肢です。
改善という言葉を、
「もっと強く感じること」だけではなく、「自分の身体がどう感じているか分かるようになること」まで広げて考える。
そうすると、「まだできない」という見方だけではなくなっていきます。
セックスが気持ちよくない改善についてよくある質問
Q1.考えすぎると本当に感じにくくなりますか?
必ずそうなるわけではありません。ただ、注意の向け方や認知的な注意散漫は、性的な反応と関連する要因として研究されています。
特に「ちゃんと感じているか」と自分を確認し続けている場合は、身体より評価へ注意が向いている可能性があります。
Q2.「感じなきゃ」と思わないようにするにはどうすればいいですか?
思わないようにする必要はありません。
「また結果を確認しているな」と気づいたら、呼吸や身体の状態など、今起きていることへ注意を戻してみるくらいで十分です。
Q3.相手を気にしてしまうのも関係しますか?
関係することがあります。
相手への配慮そのものが悪いのではありませんが、「反応しないと申し訳ない」「満足させなければ」という気持ちが強いと、自分自身の感覚が後回しになることがあります。
Q4.身体へ意識を向ければ感じられるようになりますか?
必ず感じられるとは言えません。
身体へ注意を向けることは一つの考え方ですが、感じにくさには身体的・心理的・関係的な要因が複数関係します。
Q5.何回くらい試せば変化しますか?
回数で判断することは難しいです。
「何回で感じられるようになるか」を新しい目標にすると、再び結果を確認する状態になってしまうこともあります。
Q6.何をしても気持ちよくない場合はどうしたらいいですか?
「感じなきゃ」というプレッシャーだけが原因とは限りません。
感じにくさの原因を広く整理したい方は、女性の感覚ケアから、自分に近い悩みを確認してみてください。
まとめ|「感じること」をテストしない
セックスが気持ちよくない状態を改善したい。
その気持ちが強いほど、「今日は感じられたか」を確認したくなることがあります。
でも、その確認が続くと、身体の感覚よりも、自分を評価することへ注意が向いてしまう場合があります。
だから今回お伝えしたかったのは、
「感じることを諦める」のではなく、「感じられるかどうかを毎回テストしない」という考え方です。
今日は何を感じたのか。
何が心地よくて、何が違ったのか。
あるいは、今日はあまり何も感じなかったのか。
まずはそこからで構いません。
自分の身体を合格・不合格で判断するのではなく、自分自身の感覚を知っていく。
それも、セックスが気持ちよくない状態と向き合う一つの方法です。
一人では「感じなきゃ」から離れにくい方へ
頭では「頑張らなくていい」と分かっていても、実際には相手のことを気にしたり、自分の反応を確認したりしてしまう女性もいます。
僕は浜松で、女性の身体や感覚についてお話を伺いながら、オイルケアを基本とした時間をつくっています。
最初から何かができるようになることを目標にはしていません。
普通のオイルケアだけでも大丈夫です。
一人では悩みを整理しにくいと感じたときは、お問い合わせ・ご相談からお話を聞かせてください。
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