「気持ちいい?」
そう聞かれても、何と答えればいいのか分からない。
何も感じていないわけではない。
触られていることは分かる。
でも、「これが気持ちいいってことなのかな?」と考えると、自分でもよく分からなくなる。
そんな感覚に悩んでいる女性もいます。
僕が女性のお話を聞く中でも、
「触られているのは分かるんです。でも、それが気持ちいいのか聞かれると分からなくて。」
と話されることがあります。
こうした状態が続くと、
「私は感度が低いのかな。」
「他の女性は、もっとはっきり分かるものなのかな。」
と不安になりますよね。
でも、ここには一つ大切な違いがあります。
「刺激を感じること」と、「その刺激を気持ちいいと感じること」は同じではありません。
さらに、身体に何らかの感覚があっても、それを自分で「心地いい」と認識し、言葉にすることが難しい場合もあります。
この記事では、「感じているのに、気持ちいいか分からない」という状態を、身体と感覚の仕組みから一緒に整理していきます。
セックスが気持ちよくない原因を全体から知りたい方は、セックスが気持ちよくない理由|感じにくい女性の原因とはもあわせてご覧ください。
「感覚がない」と「気持ちいいか分からない」は違います
まず確認してみてほしいことがあります。
セックスで「感覚が分からない」と感じるとき、本当に何も感じていないでしょうか。
例えば、
- 触られていることは分かる
- 温かさや冷たさは分かる
- 圧がかかっていることは分かる
- くすぐったいと感じる
- 嫌な感じはしない
- なんとなく落ち着く
こうした感覚があるなら、身体が刺激をまったく受け取っていないわけではありません。
私たちの身体は、皮膚などに加わった刺激を受け取り、神経を通してその情報を伝えています。
そこで「触れられている」「圧がある」「温かい」といった感覚に気づきます。
でも、それだけで必ず「気持ちいい」になるわけではありません。
刺激そのものに気づくことと、その刺激を心地よいものとして受け取ることは、分けて考えられるからです。
だから、
「触られているのは分かる。でも、気持ちいいのかは分からない。」
という状態は、矛盾しているわけではありません。
むしろ、「何も感じない」とまとめてしまう前に、何なら分かっていて、何が分からないのかを見てみることが大切です。
「気持ちいい」と分かるまでには、いくつか違う過程があります
ここが、この記事で一番知ってほしいところです。
普段は全部まとめて「感じる」と言っていますが、少し細かくすると違いがあります。
分かりやすくすると、こんなイメージです。
刺激がある
↓
その刺激に気づく
↓
心地いい・不快・どちらでもないなどと受け取る
↓
自分で「私はこう感じている」と認識する
↓
それを言葉にする
もちろん、実際の身体や脳の働きが、この順番だけで進む単純な一本道というわけではありません。
ただ、「気持ちいいか分からない」という悩みを整理するときには、このように分けてみると分かりやすくなります。
例えば、肩を穏やかに触れられたとします。
最初はただ、「触れられている」と感じるかもしれません。
その中で、
「嫌ではない。」
「少し落ち着く。」
「もう少し続いてもいい。」
そんな違いが見えてくることがあります。
そして後から、
「あ、私はこれを心地いいと感じていたんだ。」
と気づくこともあります。
性的な感覚でも、最初から大きくはっきりした「気持ちいい」が現れるとは限りません。
「触られている」と「気持ちいい」の間にも、いろいろな感覚があります。
「快・不快」は0か100かではありません
ここでもう一つ、感覚を理解するための考え方があります。
心理学などでは、ある刺激を快い・不快と感じる性質を感情価(valence/ヴァレンス)と表すことがあります。
少し難しい言葉ですが、考え方はシンプルです。
私たちは刺激を、
「気持ちいい」
「気持ちよくない」
という二択だけで受け取っているわけではありません。
例えば、
- 嫌ではない
- どちらでもない
- 少し心地いい
- 落ち着く
- もう少し続いてほしい
- これは好き
- これはあまり好きではない
というような違いがあります。
ところがセックスでは、突然、
「気持ちいい?」
と聞かれることがあります。
すると、本当は、
「嫌じゃない。」
「少し心地いい気もする。」
「でも、“気持ちいい”と言い切るほどなのかは分からない。」
という感覚なのに、YESかNOかで答えようとしてしまう。
その結果、「分からない」になることもあります。
「気持ちいい」が分からないからといって、快感が完全にゼロとは限りません。
まだ自分の中で、はっきり分類できていない感覚がある可能性もあります。
感じていても、それを「言葉にする」のが難しいことがあります
身体で何かを感じることと、それを言葉にすることも同じではありません。
これは性的なこと以外でもあります。
例えば、美味しい料理を食べて、
「どう美味しいの?」
と聞かれると、急に説明が難しくなることがありますよね。
甘さなのか。
香りなのか。
食感なのか。
それとも全部が重なっているのか。
「好き」は分かっても、その中身をうまく説明できないことがあります。
身体の感覚でも似たことがあります。
「気持ちいい」が分からないのではなく、自分の感覚に合う言葉がまだ見つかっていないこともあります。
特にセックスでは、
「普通はもっと気持ちいいはず。」
「相手をがっかりさせたくない。」
「ちゃんと答えないと。」
と考えるほど、自分の身体よりも「正しい答え」を探してしまうことがあります。
そんなときは、無理に「気持ちいい」と判断しなくても構いません。
「温かい。」
「柔らかい。」
「少しくすぐったい。」
「嫌ではない。」
「落ち着く。」
「もう少し続いてほしい。」
「これはまだよく分からない。」
それでも十分、自分の感覚を表す言葉です。
大きな「気持ちいい」を探すより、今ある感覚に近い言葉を見つけてみる。
そうすると、「何も分からない」と思っていた中にも、少しずつ違いが見えてくることがあります。
もちろん、身体や心理の状態が関係することもあります
ここまで「感覚をどう受け取り、認識するのか」を中心にお話ししてきました。
ただ、感じにくさの背景には、身体や心理の状態が関係することもあります。
例えば、疲れや睡眠不足。
緊張やストレス。
「感じなければ」と結果を気にしている状態。
また、ホルモンの変化や一部の薬、身体的な状態が性的な反応へ影響する場合もあります。
クリトリスなど外側の刺激と膣内の刺激でも、感じ方が同じとは限りません。
ただ、これらをすべてこの記事で掘り下げてしまうと、「気持ちいいが分からない」という今回のテーマから離れてしまいます。
ここでは、
「気持ちいいか分からない=感度が低い」と一つの理由だけで決めなくていい
ということを覚えておいてください。
身体に力が入りやすい方は、セックスで身体に力が入る理由|感じにくくなる身体の仕組みで詳しく解説しています。
「感覚が分からない」についてよくある6つの疑問
Q1.触られているのは分かるのに、気持ちよくないのはおかしいですか?
おかしいと考える必要はありません。
「触られている」という刺激に気づくことと、その刺激を「心地いい」と受け取ることは同じではありません。
まずは、何が分かっていて、何が分かりにくいのかを分けてみると整理しやすくなります。
Q2.「嫌じゃない」も感覚の一つですか?
もちろんです。
「嫌ではないけれど、すごく気持ちいいわけでもない」という感覚もあります。
快・不快は二択ではありません。
無理に「気持ちいい」に分類する必要はありません。
Q3.「気持ちいい?」と聞かれると、余計に分からなくなります
答えを考えることへ注意が向くと、自分の身体に起きている感覚へ意識を向けにくくなることがあります。
そんなときは、「気持ちいい・気持ちよくない」だけで答えようとせず、
「温かい。」
「少し心地いい。」
「まだよく分からない。」
と、その時点で分かることを伝えてもいいと思います。
Q4.クリトリスは分かるけれど、膣内はよく分かりません
場所によって感じ方が違うことはあります。
クリトリスなど外側と膣内の感覚が同じである必要はありません。
外側の感覚について詳しく知りたい方は、外イキとは?クリトリスで感じる感覚がよく分からない女性へをご覧ください。
Q5.自分の「気持ちいい」が後から分かることもありますか?
自分の感じ方への理解が変わることはあります。
ただし、「練習すれば必ず感じられる」という意味ではありません。
「気持ちいい」を急いで探すよりも、自分にどんな感覚があるのかを知っていくことで、以前より違いが分かりやすくなる場合があります。
Q6.本当に触られている感覚自体が分かりにくい場合は?
「触られているのは分かるけれど快感が分からない」のと、「触覚そのものがほとんど分からない」のでは意味が少し違います。
以前はあった感覚が急になくなった、しびれや痛みがある、薬を飲み始めてから大きく変わったなどの場合には、婦人科など医療機関へ相談することも選択肢です。
まとめ|「気持ちいい」を探す前に、今ある感覚を分けてみる
セックスで感覚が分からないと、
「私は何も感じない。」
「感度が低いのかもしれない。」
と思ってしまうことがあります。
でも、この記事で一番お伝えしたかったのは、「感じる」と「気持ちいい」は一つの反応ではないということです。
刺激がある。
その刺激に気づく。
温かさや圧などを感じる。
それを心地いい、不快、どちらでもないなどと受け取る。
自分で「私はこう感じている」と認識する。
そして、それを言葉にする。
これらは関係していますが、すべて同じではありません。
だから、
「触られていることは分かる。でも、気持ちいいかは分からない。」
という状態があっても不思議ではありません。
そんなときは、大きな「気持ちいい」をすぐに見つけようとしなくてもいいと思います。
「温かい?」
「嫌ではない?」
「少し心地いい?」
「もう少し続いてほしい?」
「これはよく分からない?」
そんなふうに、今ある感覚を少し細かく見てみる。
「気持ちいい」という一つの言葉に当てはめなくても、自分の身体について分かることはあります。
「何も感じない」と決める前に、「私は何なら感じているんだろう?」と見てみる。
それが、この記事で一番伝えたいことです。
感じにくさや外イキ・中イキなど、自分の感覚についてもう少し広く整理したい方は、女性の感覚ケアから、ご自身の悩みに近い記事を探してみてください。
一人では「何を感じているのか」を整理しにくい方へ
自分の身体の感覚は、意外と言葉にするのが難しいものです。
「触られていることは分かる。」
「嫌ではない。」
「でも、気持ちいいのかはよく分からない。」
そんな状態でも大丈夫です。
僕は浜松で、女性の身体や感覚についてのお話を伺いながら、女性専用のオイルケアを行っています。
最初から性感マッサージを目的としたものではなく、通常のオイルケアを基本にしています。
普通のオイルケアだけでも大丈夫です。
何かができるようになることや、「感じられるようになること」を最初から目標にする必要もありません。
「これは分かる。」
「これは心地いい。」
「これはまだよく分からない。」
そんな今の自分の感覚を、一つずつ整理していくことを大切にしています。
現在は無償で行っています。
「自分でも、何を感じているのかよく分からない。」
そんな状態から整理してみたいと思ったときは、お問い合わせ・ご相談からお話を聞かせてください。
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